時雨

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「可愛くもないくせに!!」 力いっぱい空気を吸う。 「俺だって、認めたくなかったよ!女に不自由したことなんかなかったのに!! ・・結婚して、子どもができて 俺がして欲しかったこと、全部やってやって 奥さんだって世界で1番幸せにしてやって・・・ッ。」 ―・・俺、なに、言ってんだろ。 「いきなり、彼女なんかつくって、幸せそうに笑って・・・そんなに好きかよ?!」 頬をかすめた風が、やけに冷たい。 ―またか。 また涙が流れていた。 「俺のほうが、好きなのにッ・・・。」 ,
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