第一章:信仰の押し売りはお断り

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千秋「なるほど…信仰を集める為幻想郷に……か」 千秋と早苗は歩きながらお互いの事を話していた。 早苗「ええ。ただ中々信者が集まらないんですよね…」 まぁ…あんな信仰の押し売りじゃ集まるものも集まらんだろうな。 千秋「早苗も向こうじゃ高校生もやってたんだろ?ダチとかは?」 早苗「いましたよ。結構仲良かったのでこっちに来る時は別れるのが辛かったです…千秋さんは?」 千秋「…いねぇよ。両親は事故で死んじまったし、親戚連中には厄介者扱い。ヤンキーには目をつけられて集団で喧嘩を売られるし普通の奴等には怯えられる毎日。握った拳を開く事の無いはきだめのような毎日さ…」 だからこそ幻想郷に来た。 中身のある日々を求めて。 戻る気なんざさらさらねぇ。 早苗「…ごめんなさい。辛い事を聞いてしまって…」 千秋「い、いや、べつに謝らないで良いから。早苗は何も知らなかったんだから仕方ねぇし。それに俺自身何とも思ってねぇし。」 早苗「でも千秋さん、話している時とても辛そうでした…」 うっ… そうだったのか…。 千秋「あー、もう気にすんな!もうこの話は止めだ止め!」 早苗「ですが…」 千秋「うっせぇ!止めっつったら止めだ!早苗は何も悪かねぇ!以上!」 早苗「千秋さん…」 千秋「…けどまぁ、正直嬉しかったよ…。俺の事を真っ当に、普通に接してくれたのは死んだ両親以外で早苗が初めてだからよ…///」 うわぁ… 何らしくねぇ事言ってんだろ… 恥ずかしいぜ… だけどマジで嬉しかった。 早苗「…一目で解りましたから。この人は心の底は優しい人だって。」 千秋「ははっありえねぇ…」 早苗「ありえなく無いですよ。これでも人を見る目には自身ありますから!」 自慢げに(豊かな)胸を張る早苗。 千秋「よし、今すぐ眼科行ってこい。」 早苗「茶化さないでくださいよ~」 千秋「フフッ。」 茶化されて少し拗ねる早苗とその様子を見て笑みをこぼす千秋。 早苗「あ、話してる間にいつの間にか着きましたね…この襖の向こうの居間にこの神社に奉られる神のお二方がいらっしゃいます。」 千秋「解った。」 神…か いよいよ御対面というやつだな…
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