第一章:信仰の押し売りはお断り

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早苗「失礼します。」 ?「早苗か?境内の掃除馬鹿に長かったじゃないか。」 ?「あれ、早苗、その小柄で女装の似合いそうな男の子は?」 居間にはテーブルを囲んで背中にでかい縄を締めた女と目のついた奇抜な帽子を被った幼女がお茶を飲んでいた。 千秋「……。」 早苗「す、諏訪子様…そんなはっきりと言ってしまったら失礼ですよ…」 諏訪子「え~?」 千秋「…気にしちゃいねぇよ…。自覚はしてるからな…。」 確かに俺はタッパはねぇし、女っぽい顔してるからな… ま、べつにコンプレックスでも何でもないがな。 早苗「あ、こちらのお二方は我が守矢神社の神の八坂神奈子様(ヤサカカナコ)と洩矢諏訪子様(モリヤスワコ)様です。」 神奈子「私が八坂神奈子だ。神だからと言って固くならなくて良いぞ?」 諏訪子「私が洩矢諏訪子だよ!よろしくね!」 しめ繩を着けてるのが神奈子で幼女の方が諏訪子か。 千秋「…俺の名前は氏家千秋だ。固いと思ったかもしれんがこれが自然体だ。…よろしく頼む。」 神奈子「おっと、そうだったのかい。若いのに落ち着いていたから緊張してると思ってね。」 笑いながら話す神奈子。 千秋「…生憎人見知りはしないんでな。そこら辺は神だろうが人だろうが関係ねぇ。」 静かな口調で淡々と話す千秋。 神奈子「…プッ、アッハッハッ!!」 千秋「な、何だいきなり?」 神奈子「…良いねぇ、良いよ!あんた!気に入ったよ!!」 千秋「?」 爆笑する神奈子を見てポカーンとする千秋。 諏訪子「普通の外来人は退廷初めて私達と会った時は畏まって下手な敬語使ってくるからねぇ~。」 千秋「は?それが一体何だって言うんだ?」 諏訪子「つまり神奈子は畏まらないでありのままの自分をぶつけてきたあんたを気に入ったんだよ。」 神奈子「そういう事。いや~良い度胸してるよあんた。」 千秋「…単に俺が礼儀知らずなだけだろ。」 神、諏「まぁはっきり言っちゃうとそうとも言うね。」 千秋「…はっきり肯定されたな。」 だが、どこか心地良い。 …好きになれそうだな……ここ。 早苗「うふふ…お二方も千秋さんを気に入ったみたいですし、私はお茶のお代わりと千秋さんの分のお茶を持ってきますね♪」 千秋「あ、俺も手伝うぜ。」 早苗「千秋さんはお客様ですしゆっくりしててください。」 千秋「む……。解った。」 千秋は早苗の言われるがままにし、早苗はおかってへと向かって入った。
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