第十章 朔の気持ちと二人の心

41/76
前へ
/567ページ
次へ
「へーちゃん迎えに来てくれたわけじゃなかったんだ?」 朔は笑いながら、藤堂に聞いた もちろんまだ沖田と手は繋いだまま 「なんとなくだったんだって!」 藤堂はそんな朔に苦笑いしながら答えた 「今日、平助はなにも見回りなどなかったのですか?」 そんな藤堂を助けるため、沖田は藤堂に聞く 「あぁ…、八番隊は明日なんだ。」 藤堂は沖田の質問に軽々しく答えた 何気ない会話だったのだが、次の瞬間藤堂は口を滑らせてしまう。 「今日なんだかお琴さん土方さんにべったりでさ、何故か屯所内の至るところで目にしちまうもんだからよ…」 「…え?」 藤堂はそう口にしてから、朔の気の抜けた言葉を聞くまで、失態に気付かないでいた 「あっ!…いやっ、その…」 藤堂は慌てて、なんとかしようとするが、もうすでに遅く、朔の耳に入ってしまう 沖田にすればなんの事か分からないが、藤堂は朔から相談を受けていて、お琴が土方を狙っている、と知っているから焦ったのだった
/567ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5645人が本棚に入れています
本棚に追加