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「ママあの山何てお名前?」
まだ幼稚園に入ったばかりだろうか。
通路を挟んだ席に座る女の子が窓に両手を張り付かせ、首だけを母親の方へ向けて聞いている。
静岡県の刑務所から刑期を終え、新幹線の独特の揺れに合わせぼーっと、その光景を見ていた。
自分にはもう未来は無い。
過去を隠しながらひっそりと暮らし<友>と呼べる者さえ出来る事はないだろう。
それが罪を犯した者の人生だ。
そんな事を考えていると、目の前にいる子供の未来は輝いて見えた。
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