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出所後の行き先は、
神奈川県横須賀市。
刑務所の中で読んだ本でメインとなって登場していた場所だ。
了は刑務所の中でその本を何度となく読み返した。
決して有名ではないであろう
著者だが、敗戦後の日本で自分がどの様に生きてきたか。
その内容のリアルさに、強く
興味を持った結果だ。
ただ了の不安は、何の当てもない地での生活。
ましてや自分は犯罪者。
職に付けるかどうかもままならない状態の自分を新天地に向けているのは、本の中でしか知らない横須賀という街への憧れだけだった。
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