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「じゃあ、連絡はこれで終わり。帰っていいわよー。」
先生は始終笑顔で勇真の頭を踏みつけながら今後のことやいろいろな連絡をした後、そう言って教室から出ていった。
勇真は未だに気絶していた。
「じゃ、おれ寄るとこあるから。あと勇真のこと頼んだぞ。」
「えー! 手伝ってくれないのー!?」
「まぁ、がんばれや。」
おれは勇真を美華に任せて教室を出た。
そのまま階段を上がって屋上に向かった。
おれは屋上が好きだ。
理由は気持ちがいいから。
ただそれだけ。
おれたち一年生の階は二階で、二年生は三階、三年生は四階となっている。
つまり、屋上に行くには上級生の階を通ることになる。
今も何度か先輩らしき人たちと階段ですれ違った。
先輩たちも帰るために下に降りてくるのだ。
そのときにすれ違った先輩たちが話していた。
「なんか新入生にめっちゃかわいい子が入ってきたらしいよ。」
「まじで? 見てみたいな。」
ふーん。
そんな子がいるんだ。
まぁ興味ないけど。
理由?
まぁ後々話すよ。
「でもそんなにかわいいんならもう有馬さんに目ぇつけられてるんじゃね?」
「それはあるな。」
ありまさん?
だれだそれ?少しだけ気になったけど、おれはそのまま屋上に向かった。
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