1日目/2:こんなにも。

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私は、麻美に向き直った。 麻美は相変わらず焦点の合わない目をしたまま、ぶつぶつと何かを呟いている。 「あんたが悪いの。あんたが悪いんだから!」 麻美がふらふらと私に近寄ってくる。 その姿は、昔見たホラー映画の殺人鬼を連想させた。 「だから、誤解よ!麻美!信じて!」 しかし、私の声は麻美には全く届いていないようだ。 麻美はふらふらと私の目の前までくると、がしりと私の腕を掴んだ。 ギチギチと麻美のネイルが施された長い爪が腕に食い込む。 「ひっ…!」 恐怖と痛みで声が漏れる。 「嘘つき…、嘘つき…、嘘つき…、嘘つき…」 麻美は充血した目をギョロギョロと小刻みに動かしながら、私の腕を掴む手に力をこめる。 「麻美……っ!痛い!!」 私は麻美の手を外そうともがく。しかし、麻美の手は外れるどころか爪が深く食い込んできてブレザーの繊維がぶちぶちと切れているのが分かった。 「嘘つき…!嘘つき…!!」 麻美の呟きがだんだん大きくなってくる。 「嘘つきは死ねええええ!!!!!!」 麻美の叫び声に、私は反射的に顔をあげる。 麻美の振りかざされる手が見えた。 .
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