1日目/1:好奇心という悪意。

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やがて、少年が私の目の前で止まった。 私は少年を見上げた。 黒い学ランはどうやら私達の学校の隣の男子校の制服だった。 雪と同じように白い肌に中性的な綺麗な顔立ち、しかし… その目を見た途端…ゾッと冷たいものが背筋を走った。 暗い、暗い、真っ暗な瞳… その暗い瞳は光を宿していないように暗かった…。 全体的に暗い、そう思った。 性格が暗そうとかそんなんじゃない。 雰囲気が…彼が醸し出しているオーラが…真っ暗なのだ…。 例えるなら宇宙にある全てを飲み込むブラックホール。 例えるなら太平洋の海深く、光の一切届かない深海のような闇。 そんな絶対的な暗さを私は少年に感じた。
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