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紫空にの言葉に、麻美は額に皺を寄せ唇をかみしめた。
「最低ね!ありさ!あんた本当に最低!紫空を味方につけるために嘘つくなんて…!!」
麻美が単語一つ一つを地面に叩きつけるように叫んだ。
「嘘じゃないわ!麻美、本当よ!本当に、私は彼の質問に答えていただけよ!」
私は、夢中で麻美に訴える。
しかし、私の言葉に麻美は黙って首をふっただけだった。
「美恵子達が何を言ったのかは、分からないけど、お願い麻美!私の話も聞いて…。」
「黙れっ!!!!!!!!!!!!」
突然、私の言葉をさえぎるように麻美が叫んだ。
「麻美…。」
私は、一歩たじろぐ。
「黙れ!黙れ!黙れ!」
麻美は気が狂ってしまったように叫び続ける。
その顔は、叫んでいるのに青白く、額には大粒の汗がみえる。
唇は小刻みに震え、目は焦点が定まらずゆらゆらと別の生き物のように動いている。
素人の私の目から見ても、麻美の具合が普通じゃないのが分かった。
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