1日目/2:こんなにも。

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紫空も麻美の様子に気がついたみたいだ。 「麻美…、貴女どうしたの?具合悪い?」 紫空が麻美の肩に手を置き、心配そうに麻美の顔を覗きこむ。 「大丈夫?座る?」 紫空が麻美を椅子に座らせようとした時だった。 バッと、勢いよく麻美が顔を上げると 「うるさい!!」 麻美は勢いよく紫空をパイプ椅子の列に押し倒した。 「紫空っ!!!!!」 「きゃ…っ!」 ガシャンっ!!!!! 派手な音を立てて、紫空がパイプ椅子を巻き込んで地面に倒れた。 「紫空!大丈夫!?」 「きゃあああああ!!!!!!!」 女の子達が、悲鳴をあげ紫空に駆け寄る。 私も急いで紫空に駆け寄った。 紫空は、パイプ椅子の上に折り重なるように倒れていて、頭を打って気絶しているのか、まるで死んだように動かない。 「もう麻美やめてよ!!!」 「どうしたのよっ!!!!!」 皆が恐怖で泣き叫ぶ。 「うるさい!黙ってよ!」 口々に叫ぶ女の子達に麻美が怒鳴る。 いったい、どうしたって言うのだろう…。 今日の麻美は絶対におかしい。 皆の悲鳴に、大人達がやってきて式場は騒然となっている。 担任や、紫空の仲のいい女の子達が紫空の周りに集まって名前を呼んで、意識の有無を確かめているが紫空は、ぴくりともしない。 いつの間にか、少年も私の真後ろにきていたが、彼は周りの喧騒をスクリーンの中の光景を見ているかのように平然としている。 あんたも、事の原因なのよ! 私は少年に文句を言いたくなったが、今は麻美の方が先決だ。 .
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