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「離して!麻美がっ!」
私は自分の腕を掴んでいる少年を睨みつける。
少年は無表情で私の腕を掴んだまま離さない。
「ただ、ヒステリーを起こしただけですよ。心配ありません。お友達が急になくなったんで、動揺しただけです。」
頭の上から声がふってくる。
お友達が急に亡くなったから…。
私が、雪を殺したから。
私が雪を殺したから麻美はあんな風になってしまったんだ…。
雪が死んだせいで…。
雪…、雪…、雪…、許さない。
貴女が死んだだけで人がこんな風になるのね…
私が死んだら、こんな風に誰か悲しんでくれるのかしら?
羨ましい。
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