1日目/2:こんなにも。

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「どうかしましたか?」 少年の声に我に帰る。 「な、なんでもないわ。」 いけない…なんて事を考えてるんだろう。 麻美があんな状況になるのを羨ましいだなんて…。 それより!私、この人に守ってもらったんだわ! お礼…ちゃんと言わなきゃ…。 「あの…」 「ありさ!大丈夫だった!?」 私が、少年にお礼を言おうとした時だった。 氷が入った袋で頭を押さえた紫空がこちらに駆け寄ってきた。 「紫空っ!そっちこそ大丈夫なの!?血とか出てない?」 私より、紫空の方が被害は大きいはずだ。 パイプ椅子の列にもろに倒れこんだのだから…。 「私は平気よ。石頭だし!床に頭をぶつけたから、少したんこぶが出来たけど…、それだけ!ありさは?」 たんこぶだけって…。 女の子なんだから、たんこぶが出来るのも重症だと思うんだけど。 「私の方こそ大丈夫…。殴られそうにはなったけど、彼がかばってくれたから…。」 私は視線を少年に向ける。 紫空もつられて目線をあげる。 .
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