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「僕と彼女は、友達のような親しい間柄じゃありませんよ。」
少年の突然の言葉に、一瞬首を傾げる。
そして、二秒後に、それがさっきの自分の言葉に対する返答だと気付いた。
「自分がさっき言った言葉を忘れるなんて、一度病院に行った方がいいですよ。もしかしたら、若年性アルツハイマーかもしれません。」
「うるさい、よけいなお世話、黙れ。」
私は、キッと少年を睨み付ける。考え事してたのよ!
バカにして…。
しかも、本当に心配そうな顔をしているのが、さらにムカつくわ!
「全く、貴女は女性なんだからもっと綺麗な言葉を使った方がいいですよ…。」
少年が呆れたような顔で言う。
「うるさいわね。私は貴方なんかに女性らしく振る舞えるほどの良心は、持ち合わせていないのよ!」
「まあ、確かに貴女が女性らしく振る舞っても全く魅力を感じませんけどね。」
「貴方に魅力を感じて戴かなくても結構よ!」
私はふんっと、鼻をならす。
少年はそんな私を見て笑う。
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