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次の日は土曜日だった…
俺と夏目は我流市民プール前に来ていた…
「お待たせー♪」
と、白い麦藁帽子を被った由希が、俺と夏目を見つけ、走ってきた。
「あれぇ?桜ちゃんも一緒だったの!」
笑顔で俺を見る由希…
「え…あ、うん…」
俺は、幼なじみの由希にバレないように、なるべく声を出さないようにしている。
ちなみに、由希には俺は北条静ではなく…
北島桜(きたじま・さくら)と名乗っている…
夏目はもちろん、俺と由希の関係を知っているので、由希の前だと、俺のことは桜と呼ぶ…
「それじゃあ…中に入りましょうか?」
と言って中に入ろうとする夏目を由希が止める。
「ちょっと待って、今日ね、私がプール行くって言ったら、ぜひ一緒に行きたい…って言う友達がいたから一緒に来たの…あれえ?どこ行ったかなぁ?アイツ…」
と、キョロキョロと誰かを捜してる様子の由希…
まさか……
「あ、いた!」
と由希が指を差したのは…
「祐介!?……くん…」
思わず、呼び捨てにしてしまいそうになる…
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