交差点の彼女。

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「仮名実さん、こんな話をご存知ですか?」 眼鏡の男子が話し始めた ある人が交差点で、女性を見掛ける。 そこでその人は気付いてしまう。 彼女がこの世の者ではないと。 信号が青になり、その女性の横を通り過ぎる。するとその瞬間、 「何で分かったの?」 振り向くと、その女性は消えていた。 「と、こんな所ですね」 「それって……」 「そう、あなたの体験した『恐怖』と同じですね。まあ、他にも、『気付いてる癖に』『見えてる癖に』と、ヴァリエーションはありますが、話の大体の流れは同じです」 「……その後、どうなるんですか?」 「その後? これで話は終わりですよ?」 「……そうですか」 これで終わりなんだ。 だったら、 「どうかしました?」 眼鏡の男子が不思議そうに私を見ている。 「……来てるみたいなんです」 「はい?」 教室にいる四人が、私を見ている。 だったら、私の話は、 「その女の人、私について来てるみたいなんです」 私の『話』は、どうすれば終わるのだろう。
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