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お題:入道雲
私は人も少ない静かな図書室の、窓の近くの椅子に座る。
ここに居れば会えるのだろう。
いつもここに座っているあいつに。
( ´_ゝ`)「クーさんクーさん、そこ俺の席」
ほら、来た。
川 ゚ -゚)「知らない」
(;´_ゝ`)「ひ、ひどいな」
いつもながら、男らしくない態度にイライラする。
…何故こんなに気になるのだろう。
( ´_ゝ`)「まあそんなとこも好きだけどさ」
不意に言われて訳も分からず泣きそうになる。
いきなり答えを突き付けられた気がしたのだ。
川 ゚ -゚)「…」
こいつはいつも私に近寄ってきては私の心をかき乱す。
…その理由を知りたくてここに来たのに。
なのにどうして、知りたくて仕方無い感情に満たされるのだろう。
乱された心は雨のような涙や雷のような怒り、でも少し心地いい感情でいっぱいになる。
嗚呼、こいつはまるで入道雲のようだった。
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