真夜中の散歩

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そんなものかしらとヴェルテを見上げた私は、ふと思いついたことを言ってみた。 時々一人ふらりといなくなることがあるヴェルテが、どんなことをしているのか気になったのだ。 「あ、なんだよ急に。てか絶対つまんねぇぞ?」 「えーそんなのしなきゃわからないじゃない。ね、いいでしょ」 それに少し面食らったのか目を丸くしたヴェルテは、次に困ったように眉を寄せてぼやくのに口を尖らせて食い下がる。 「別に邪魔はしないわよ。あアズもどう?」 ややわがままにも思えたが、気になりだしたら仕方なくて、まだ渋るヴェルテから目を逸らした私は二階の廊下を歩いていたアーズリーも呼び止めた。 「ヴェルテが夜の散歩に行くんだって。面白そうでしょ?」 「この寒いなか出る気が知れないな」 突然のことに不審げな顔をしているアーズリーにヴェルテそっちのけで説明をしたら、ますます目を眇められる。
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