一通の手紙

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アリマトスの生徒だから、という理由ではない 確かにこの学校の生徒というのは名誉なことだが 周りの全てから目を向けられる程ではない 理由はもっと単純、 ただこの二人が歩いているということだった 「………いつも通り」 ネーティル・アルソン・ヘルゼミナス・カーセス 「全くよく飽きないわよね」 リネル・ミカナ・アーゼクン 要は ヘルゼミナス家、 アーゼクン家、 この二つの名前が普通じゃないのである アーゼクン家 代々優秀な剣士を生み出してきた別名 『王国の懐刀』 そして ヘルゼミナス、 才色兼備 文武両道 そんなことは当然、 なぜならこの血筋こそ、 このアリマトス王国率いる王族になるのだ アリマトスを名乗るのは一つの歴史に二人だけ つまり現国王とその伴侶のみ ネーティルは国王候補の一人というわけだ 「この人達全員暇なのかしら?」 ついつい本音が出てしまうリネルこと、リン 「リン………口、」 「分かってる 言いすぎました」 ただし言葉と態度が正反対である
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