入学式

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フィリスはその自分より大きな固まりを掴むと スルスルスル、 ローブの袖がどんどん飲み込み あっという間に消してしまった 「では皆さん、また明日」 ほんの数分の出来事、 まるで夢のような感じだったが 残念ながら床に鉄球が落ちてつけた傷が真実だと語っている 「あーあ、 どうすんだよこれ」 短髪の少年が床の罅をなぞる 「そうだなー、 アルフォント直しといてー」 「えぇっ、 俺かよ!?」 その短髪少年は立ち上がり驚きの声をあげる 無理だろう、誰もがそう思った矢先、 「しゃあねぇな 邪魔だから直すか」 肩に担いでいた荷物から幾つかの道具を取り出し始めた (あれは……) サツキが注意深く見守る中、 「あらよっと」 それは炸裂した ボン、と 罅の辺りに煙が立ち上る アルフォントはそれが当たり前であるかのように手を前に出し、 「修復」 次の瞬間、アルフォントの周りに魔法陣が形成される (物体修復術、陣の種類…… 中々面白い職種ではあるな)
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