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「くぅっ、」
何故かその手から溢れる治療の光は周りと比べて弱々しいものだった
「あれじゃあ、ダメだな」
同じ治療師からして言わせてもらえばあれは最悪点だ
かといって周りはそんなこと気にすることもなくそれぞれの作業に没頭している
「う、ぁ……」
殆んど回復の兆しはなく、負傷した生徒は苦しそうに呻く
「お願い、
治って……」
そんな言葉が治療師の口から漏れるが当然そんなことが通じるはずもなく、
「……ちっ、」
バシュ、と
聞き慣れない小さな音がした
「力みすぎだぞ」
「あ、サツキ……」
顔を真っ赤にして疲労を表わした治療師、
ミーティアが顔をあげる
「ごめん、
私じゃこれが限界で……
サツキも治療師だったよね、
代わってもらえないかな?」
自分ではもうどうしようもないと判断したのだろう
だが、
「いや、そいつは君が治せ」
サツキは生憎、代わるためにここまで来たわけではなかった
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