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完全に嫌われちゃったな
それでもサツキが治すことはなかった
「ただ見ている、か……
少し違うね」
と、
サツキは行動を起こした
ギュッ、と
いきなりミーティアの震える手を握り締めたのだ
「な、何を……」
ミーティアは驚いたに違いない
「この手を向けるのは僕じゃないだろ?」
その手を負傷した怪我の前に持っていく
「……無理よ
私の魔力なんて、軽い傷を治すので精一杯だもの」
やはり、
サツキは確信する
悔しいが間違いないと宣言できる
「やれやれ、
君の短所は早とちりや勘違いが多いといったところだね」
「もう、放っといて……」
「生憎、負傷者は待ってくれないよ」
確かにミーティアの心は折れかけている
だが、サツキにはその先の可能性にかけてみたいと思っているのも事実だった
「君は、どんな傷でもいい、
治したあとに疲れたと思ったことはあるかい?」
「何を突然……
あるに決まっているじゃない」
「じゃあ倒れたことは?」
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