第2章突き落とし~壁~

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何故だろ…。 俺は正直自分に自信があるというのにも関わらずあのランエボだけにはついていけないって感じた。 今までこんな気持ちになったことなんて無かった。少し脱力感と高揚する気持ちを抑えそのランエボを追いかけるのをやめた。 いつからだろうか、速さを求めるようになったのは… いつからだろうか、何かに取り付かれたかのように走るのは… いつからだろうか、周りが見えなくなってしまったのは… いつからだろうか、家族を考えられなくなったのは…。 ……………。 言わなくてもわかると思うが俺には家族がいる。一人っ子と言うこともあり箱入り息子のように育てられた俺は自由に生きてきた。 正直俺がしたい事があると言ったら何でも一生懸命にやらせてやろうとしてくれる良い両親だ。 俺はそんな両親の期待をブチ壊して就職したのだった。両親は最後まで反対していたのだが結局受け入れてくれた。 そんな両親を裏切りつつやっている俺は本当に大丈夫なのだろうか…?
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