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訳の分からない単語と共に霖之助は言った。
フラグって何?
とりあえず、何かアクションを起こさなければこの興味と好奇心は――――
『あ、あなたがヘルカイザー…亮なの?』
恐る恐る近寄り、天子は聞いた。
『いや、普通に違いますけど…?』
普通に間違えたらしい。思いっきり。恥ずかしいにもほどがある
『俺がそうだ。ヘルカイザーと名乗っているが本名は丸藤亮と言う。…好きに呼べ。』
何かのオーラを纏ったような人物だった。名前は好きに呼んで良いらしい。
『う…て、天人であるこの私がまさか人違いとは…。ま、まぁいいわ。『カイザー』と呼ばせてもらうわね。私は非想非非想天の娘『比那名居天子』よ。『て・ん・こ』じゃないわよ。『て!ん!こ』じゃないわよ?大事なことだからにかい(以下略』
てんこではないことを強く主張しつつ名乗る。
が、しかし
『…では『てんこ』と呼ばせてもらおうか。それで?俺に何か用でもあるのか?』
この有様だ。
『うがー!!!『て・ん・こ』じゃないって言ったでしょ!?』
天子の予想範囲内だったがまさか本当にそうなるとは思わなかったようだ。
『質問に答えろ…。俺に何用だ?『て・ん・こ』』
追い打ちをかけるかのようにカイザーは言う。
『五月蝿い!私は『てんし』よ!…もう。どうでもよくないけど…そうね。質問の答えとしては『カードについて興味がある』かな。』
単刀直入、単純明快な内容だった。が、それが真理だった。
『まぁそんなところか…。想定内だ。答えとしてはイエス…だな。教えてやらんでもない。だが…一つ条件がある』
割とすんなりだったがどうやら条件があるらしい。
『条件…?いいわよ。で?条件って何なの?』
一方こちらもすんなりだった。どんな条件かも分からないまま。
『この世界で…俺はプロリーグを開催しようと考えている。そのためにはプレイヤーの増加が必要不可欠…。そう、お前のような興味のある者が必要なのだ。そこからこの世界にカードを広く普及させる。それが条件だ。一石二鳥で悪くはないと思うが?』
カイザーの条件とは、つまりこの幻想郷にカードを流行らせろ、という内容だった。
これ以上に好都合な条件は滅多にないだろう。
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