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ガキィイイインッッツ!!!
Ⅰ世は受け止めた。
ほんの僅かなタイミングで彼らの方へ高速に移動し、いま武器と武器が重なろうとするところを両手のグローブで受け止めたのだ。
「いい加減にしろ、…お前たち」
受け止めた武器をガッチリと掴めば二人に問いかける。
アラウディは邪魔をされ不満そうな顔でいて、若干力がこもっている。
一方のD・スペードもまだ力がこもっている、どうやらボスが彼の攻撃を受け止めたとしても油断はできないらしい。
両側からの圧迫感には特に問題ないが止めただけでは解決にならない。それは承知だ。
勿論、解決方法ぐらい練ってある。
「…アラウディ、例の任務はどうした?まさか、すっぽかしたつもりではないだろうな?」
「…………。」
「………………。」
「………あぁ、…」
予想通りの返事が帰ってきた。
アラウディはボスから直々に頼まれた任務は果たすが、D・スペードと遭遇したことでその任務をすっかり忘れていたのであろう。
「…オレからの任務、果たしてくれるだろ?」
「……………フンッ…」
了承したのであろう。
アラウディは武器を下ろしスタスタとその場から去っていく…。
そしてD・スペードは安心
したかのようにゆっくり武器を下ろし吐息を一つ吐いた。
「…助かりました。また一つ、借りができましたね。」
「いつもの事だ…、気にするな。」
スペードもスペードで、一応は苦労しているのであった。
だが彼からは、寧ろ楽しんでいるようにも見えない事もなかった。
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