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「ルユーナってば!」
気が付くと、アラマートの姿が目の前にあった。
「あ…。ごめんなさい。ちょっとボーっとしちゃって…。」
ルユーナは慌てて謝った。
いけない。いけない。
ただでさえ良い所が何もないのに、友達がいることだけでも感謝しなければ。
「別に良いって。ほら、さっさと教会行こうぜ。」
「……教会…?」
ルユーナは首を傾げた。
彼女の様子に、アラマートは心配そうにルユーナを見る。
「……お前、大丈夫か?今日は日曜日だからお祈りしに行かねえと…。」
「あ。」
そうだった。
日曜日の10時からは、教会に行って祈祷しなければならない。
感傷に入り浸ると、すぐ色々なことを忘れてしまう。
ルユーナの悪いくせだ。
「ほら、さっさと行こうぜ。」
足早に歩き出したアラマートに、ルユーナは慌ててついていった。
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