星は輝きを求めて

5/28
前へ
/324ページ
次へ
教会についた二人は、いつもの場所に腰を下ろす。 毎日が夜のせいか、リュンヌは暖かい日が無い。 室内は大量のストーブが置かれており、ルユーナ達が座った場所も一つのストーブの近くだ。 早く行かねば取られてしまうので、アラマートはいつも誰よりも早く教会に行く。 ルユーナは近所に住み、幼なじみである為、彼について一緒に教会へ行く。 祈りの時間が近付いた頃、二つの影が隣にやって来た。 影は当たり前の様に横に座る。 ルユーナとアラマートの友人、リースとウェールだ。 リースは真っ白な肌に淡い栗色の髪の、村で一番可愛いと評判の少女。 ウェールは落ち着いた茶色の髪を長く伸ばしている、背が高く凛々しい少年だ。 二人はルユーナとアラマートの昔からの友人で、幼い頃はよく四人で遊んだものだ。 暫くして、祈りの時間がやって来る。 彼等が信じるものは月の女神「ルナ」。 ルナは戦と美の神であり、リュンヌの女王とされる、ペスカを表す神とされている。 一人の僧侶が説教をし始め、皆は一斉に目を瞑る。 ……後に語られることになるその事件は、祈りが始まって三分もしないうちに起きた。 「キャーッ!!」
/324ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加