未来は僕らの手の中

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「また負けちまった…」 東京に来て3年 伊藤開司は最悪だった… 正月があけてから一度も働かず、ショボい酒 ケチな博打に金と時間を浪費して過ごしていた… 「金だよなぁ……金………… ぐすっ… っ!…泣いてどうすんだよっ…くそっ!」 金も無く職も無い…やりたい事…欲しい物はたくさんあるのに何一つ掴めていない。 そんな鬱憤を晴らすかのように、街に繰り出しては高級車を探して、ナイフで傷をつけていた。 ガッ…ガリッ…! 「…どうせこんな車に乗ってる奴、ろくな奴じゃねぇさ!」 ガシュッ…!! しかしここで思わぬアクシデント 「なんだ?…抜けねぇ…」 思いのほか深く突き刺さったナイフが、変形した金属に挟まりピクリとも動かない。
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