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「だがら…―」
「いつまでそんな寒いところにいるんだ?」
そう言いながらリビングから出てきた父さん
そういや父さんが帰ってきてからずっと廊下で話してたんだった…そしてまた彼女の言葉を聞き逃した
「んや、もう部屋行く」
俺はそう言って階段を上がる
神崎も静かについてくる
階段を上がりきって一番手前の扉を開け部屋に入る
「少し散らかってるけど…適当に座って?」
神崎に座るように促すと、彼女はベッドに座った
俺も勉強机の椅子を引っ張り出し彼女の前に座る
「さて…どうするか」
時計を見ると9時を回っていた
「どうするって、悩むことなんてないじゃない」
そんなことを笑いながら言う彼女
なんでそんなに余裕なんだ
「なんでだよ?お前このままじゃここに泊められるんだぞ?」
それでも、彼女は笑顔で
「それでいいんじゃないかしら?」
と言ったんだ
はい?いいのか?
いや、ダメだろ!
「お前、何言って…」
「仕方ないじゃない、アンタの親、危ないし…」
危ない…と言われれば確かに危ないけど…
他人のコイツに言われるとなんかムカつく、口には出さないが…
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