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「――――っ、」
キツク後ろから抱き締められて、耳元で言われた
「俺・・ずっと前から先輩の事が大好きだったんです・・・。だから、大嫌いな警察にまでなったんですよ・・?」
―――思い出した
そうだ・・
宮本が何で警察が嫌いなのか・・・
宮本は・・
警察の誤った発砲で母親を・・――
「見てくださいよ。先輩・・」
そう言って俺の目の前に手の甲を差し出した
「この傷・・父親に受けたんですよ?」
―――ドクンッ!
父親に・・受けただと?
「これだけじゃない・・。身体も・・傷だらけなんです。父は、あの日以来変わってしまったんです。毎晩お酒を呑んでは俺に、“あいつが死んだのはお前の所為だ!”って暴力を受けて・・・」
そんな・・
宮本は何も悪くないのに
「母は、俺をかばって死んだんです・・。だから・・父は俺を――――」
ポタ・・
「・・・っ、先輩?」
気が付いたら俺・・泣いてた
あんまりにも宮本が可哀相で・・
何もしてやれない自分が悔しくて・・・
「・・何で先輩が泣くんですか。俺が今、ヒドイ事をしてるから?」
ふるふると横に首を振った
違う・・
違う・・
そんなんじゃない!
悪いのは俺ら警察だ・・
宮本は只の被害者なのに・・
何でこんな・・可哀相なんだよ
「・・・ごめんなさい。先輩。俺・・どうしても先輩が欲しかった・・・。優しくて、格好良くて、頼りがいがあって。先輩は俺の・・憧れだった」
途端、宮本の抱き締める腕が強くなった
そして、只俺の肩に顔を埋めて・・・
宮本・・泣いてる―――
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