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すると
教室から離れた
美術室に着き、
中に入る。
もちろん昼休みだから
だれもおらず
二人だけだ。
「何?どうしたの?」
私はもう
考えてもわからず
軽くパニック状態に陥っていた。
彼の視線はやはりまだ
鋭く、怒りが感じられる。
すると彼は
「本当にわからないの?」
と言い、
制服のポケットをあさりだした。
「うん・・・」
わからない・・・って
何が?
何がわからないのかが
わからないよ・・・
私はびくびくしながら
こくんとうなずいた。
彼はすっと切れ長の瞳で
私をじっと見つめ、
ハァ、と大きなため息をつく。
やっぱりこんな時でも
彼の顔はとてもきれいに整っていて
場違いだとわかっていても
胸がときめいてしまう。
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