ムスクの香り

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すると、 低い声で呟いた。 「昨日居残り、 秋山と二人きりだったんだろ?」 「昨日?居残り・・・あ、うん。 優基くんと二人だったけど・・・」 確かに昨日は 優基くんと二人きりだった。 二人でバカみたいな話をして (主に私のノロケ話) 少し時間がかかったけど なんとか協力して 課題は終わらせた。 「それが・・・どうかした?」 言われたことにも ピンとこなくて頭を傾げる。 「~・・・」 「ん?」 何かモゾモゾと話しているけれど 全く聞き取れない。 「だから、~・・・!!!」 「んんん~!?」 何を言っているんだろう、 この人は。 日ごろ無口だから うまくしゃべれなくなったのかな。 あまりに聞き取り辛くて、 少しイライラする。 するとしびれをきらした彼は ついに大声で言った。
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