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マグカップを持つと、
思っていたよりも熱くて
思わずテーブルに
コーヒーをこぼしてしまった。
いつもなら
もう少しだけ
そっとしておくのに
今日はあわてて
飲もうとしたせいだ。
テーブルを拭こうとしたけれど
どうにも拭く気力がわいてこない。
慌てていたのは
きっとあの
昼間にかかってきた
電話のせいだ。
部屋の電気は
必要以上につけなかった。
テーブルの下においてある
タッチライトの明かりで
十分な気がした。
両膝を抱え、
携帯の画像ファイルを開くと
彼と付き合いたてのころの
プリクラが映し出される。
まだふたりとも
少しだけ若くて、
今は長い髪の毛も
この頃はまだ耳にかかるくらいだ。
落書きには
今見ると恥ずかしくなるような
くさい言葉を
書き込んでいる。
この頃は
何をするにもお揃いで
何をするにも一緒だった。
それが楽しくて
仕方がなかった。
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