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「いえいえ。使用枚数は? つけとくよ」
「ありがとうございます。両面6枚×20部で120枚でお願いします」
「中森にあんまりこき使うなって言ってやってよ」
「でも、私にはこれも仕事ですし。じゃ、失礼します」
かるく頭を下げて部屋を出ると、背後で何かの気配がした。
きっと融通のきかない人間だと呆れているのだろう。
自分でも自覚はあるけれど、仕方がない。
とりあえずは資料を届けて、頼まれたファイリングの続きをして、リストのチェックに入ろうと思う。
資料を渡して戻ってくると、しばらくして、コーヒーを出しにいっていた高塚さんが戻ってきた。
いっつも、こんなんばっかりだよねー、なんて言いつつ、自分の入力作業に戻る。
「でも、松田さんいつもモテモテよね。いろいろ頼まれて大変じゃない?」
「そうでもないですよ。時間も決まってますし、雑用がメインの契約社員ですから」
「えー、でも、松田さん実はみんなにスーパー契約社員て呼ばれてるんですよ」
「ええ? 何ですか、それ。私べつに言われたことしかやってないですよ」
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