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もともと、ゆう君は夫の亨の親友だった。
亨と付き合いはじめて暫くした頃に、彼に紹介されたのだ。
2年くらい前には当時の彼女だったリカさんも含めて4人で遊びにいったりもしたし、そのリカさんに振られた時には慰めるためと称して、3人して飲み明かしたことだってある。
亨が病気になったときも励ましてくれたし、忙しい仕事の合間を縫って、よく見舞いにも来てくれていた。
亨が息を引き取ったときも、誰よりも早く来てくれた。
血縁のうすい亨のために、お葬式とは別に友人だけでお別れ会を企画してくれたのもゆう君だった。
私にとってのゆう君は、今ではとても大事な友人のひとりだ。
亨がいなくなって、半年経った頃だろうか。
ゆう君と、秋川さん――亨とゆう君の友人のひとりだ――とで食事にいった時のことだった。
秋川さんは急に電話で呼び出されて帰ってしまい、小さなボックス席に私とゆう君のふたりきりでのんびり飲んでいた。
友人として親しくつきあっているとはいえ、亨の友人やその彼女などを交えてのことがほとんどで、ふたりきりというのは、もしかしたら亨の葬儀の後以来のことだったのじゃないかと思う。
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