守り通すべきモノは

非日常な朝-1-

しかし、1つ問題がある。

問題とは、通る道が人の家の庭や私有地であること。見つかれば、良くて説教、悪ければ警察行きだ。

どっちにしろ遅刻が確定してしまう。

そんな危険な道は通りたくない。

しかし、今は遅刻するかどうかの瀬戸際。四の五の言っていられないのだ。

何時もの通学路から脇道に逸れて、山本さん宅の庭に侵入。

先ずは第一の関門、番犬のポチ(俺がついさっき命名)だ。ポチはピンと立った耳が特徴の雑種の大型犬。見つかれば、即ゲームオーバー。

山本さん宅の木の陰から、ポチの様子を窺う。丁度ポチはおねむの時間のようで、犬小屋から顔だけ出して寝ている。
極力音をたてないように山本さん宅の庭を突っ切り、どうにか抜けることが出来た。
今度ポチにファミチキでもプレゼントしよう。