非日常な朝-1-

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山本さん宅の庭を抜けるとそこは既に私有地。 どうやら何か建物を建てている途中らしい。 幸いにも人はいない。 誰もいないとわかったなら全力で突っ切るのみ。 そして目の前に現れるのは2m程の高さの壁。これが第二の関門だ。 2年前、初めてこの道を通るときには、苦戦を強いられたが、今は違うのだ。 「行くぜ!」 私有地だということも忘れ、声を上げて気合いをいれる。 今まで以上のスピードでダッシュして壁の1m程手前で右足を踏み込みジャンプ。 審査員がいたなら満点を付けるような鮮やかなジャンプで難なく第二の関門を突破。 ここさえ抜ければ、学校はすぐそこだ。 最後の力を振り絞り、震える足に鞭を打ち走る。壁から降りるとき格好付けて足を痛めたのは内緒だ。
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