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伯爵は、自分達が身を隠していた壁に背中をぶつけた。するとユーヤは足を止め、刃を伯爵の喉元へと突き付けた。
もはや一歩も動く事は出来ない状況に追い込まれた伯爵は顔中に脂汗を浮かべ、背中に大量の汗が流れるのを感じた。 壁を開け、中に逃げ込もうとすれば、即座な後ろから斬りつけられる。だからといって、前には一歩も踏み出せない。 「もはやこれまでか…」
自嘲的な笑みをうかべると、伯爵は短刀を懐から取り出し、自ら命を絶った。「ぐはっ…!!」
ゆっくりと膝から落ち、伯爵はそのまま息絶えた。
ユーヤはその遺体を仰向けに寝かすと伯爵の見開いた目をそっと閉じてやった。
「騎士らしい、お見事な死に様です、伯爵」
ユーヤは刀を鞘に納めると、屋敷を出た。そして、部隊を召集し、屋敷をあとにしたのである。
それから数年後、王国は隣国と戦争となり、敗戦国となった。それから幾年もの時期が経過した…
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