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郊外のさらに外れにある、赤鉤(あかかぎ)と呼ばれる土地にある少し古ぼけた家。
そこが俺の新居となった。
俺がその家を選んだ理由は何より”安かった”からであり、会社への通勤距離は遠くなるがそれほど気にならない。
異様に安い価格ではあったが、郊外に建っているし中古住宅なのでそんなものなのかもしれない。
周りを見渡せば色あせた雑草や木々が所々に点在し、何ともいえない悲壮感を漂わせている。
街の反対側を見れば山へ続いており、道は途中で途切れている。
一応不動産屋に幽霊でも出るのではないかと尋ねてみたが
「大丈夫ですそこには出ませんよ」
と返答されたのであった。
ただ一つ気になるのは斜め向かいに建つ無人の家があまりにも汚くて不気味であることだ。
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