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会社まで車で移動する。
アスファルトではなく砂利で構成された貧弱な道路を進む。
本当に寂しい景色だ。
店らしきものは見当たらず、古い木造住宅が距離を置いてぽつぽつと建っている。
それにしてもこの周辺の道路はやけに空いているな、いいことだ。
しばらくすると街の方へ出て見慣れた景色が見えてくる。
ここはやっぱり渋滞だな。
思ったより早く会社へ着き、親しい同僚の黒田が遅れて出勤すると、さっそく彼から新居についての話題が振られる。
「どうっだったよマイホームの居心地は?」
「ああ、結構いい感じだったよ。
中身は思ったより綺麗だったし、広いし、何といっても安い!
あ、幽霊なんて出なかったからな」
そして話は進んでいき、あの不気味な隣の廃墟について触れることになった。
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