めぐり逢い

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長崎の地場大手銀行K銀行本店の秘書室の控え室では、5人の美人秘書の黄色い声が飛びかっていた。 「ねえ優先輩見ました、頭取室に入られた若いお客様、スーツあれブランドですよ、時計はグッチでビジネスバックはヴィトンのホワイトハンドルでしたよ、イケメンだし格好良かった、ですね」 「かおりあなた、良く見てるわねたったあれだけの時間で驚いちゃうわ」 佐野瞳は後輩の佐藤かおりに呆れてそう言った。 「でも瞳、かおりぐらいならないと素敵な男性ゲット出来ないわよ。でも…御曹司かしら、凄い人よね、あの若さで頭取室なんて私が入社して初めてよ」 そう話しているのが、管野優、元ミスユニバース日本代表でK銀行でも、佐野瞳と並んで超美人の女性秘書である。 K銀行秘書室には管野優24歳、次に佐野瞳、神田五月22歳、と佐藤かおり、山下恵21歳の5人で構成されていた。 中でも佐野瞳は群を抜いて、美しい女性であった。 瞳は、優の話しを聞いて (格好良かったなあんな素敵な人が彼ならいいのに…) と、1人夢をみるようにボッーとしていた。 同期の五月から肩をつつかれ。 「瞳、頭取から連絡があって、日本茶とコーヒーだって、ご指名なのよ」 と言わ れ、ハッと我に帰り小首をかしげて。 「私に…あっウン」 と日本茶とコーヒーを用意していた。 「瞳先輩しっかりお客様見て来て報告して下さいよ、お願いしますよ」 後輩の佐藤かおりからそう言われ、少しうつむきかげんにして他をみて。 「そう言っても、かおりみたいにわからないわ」 そう言うと優が笑って。 「素敵な男性かどうか見て来てよ、良かったら名刺とかね」 瞳は困った顔をしてゆっくり頷いて。 「はい、頑張ってきます」 そう言って日本茶とコーヒーをトレイに載せて、頭取室に運んだ。 瞳は頭取室の前に立ってドアをノックした。 トントン 瞳は頭取室の扉を叩いた 「お茶をお持ちいたした。」 瞳はそうつげると中から 貫禄のある太い声が戻って来た 「入りたまえ」 瞳はその声を聴くと 「失礼します」 と扉を開け中に入った 頭取室はいかにも高級そうな、絨毯がひかれソファーやずしりと重そうなテーブルが置かれていた 瞳達が噂していた若い客は頭取と雑談を夢中に話していた 瞳はテーブルの前に来てチラッとその若い客を見て 少し照れたようになりドキドキした
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