6人が本棚に入れています
本棚に追加
瞳は、頭取と健治に頭を下げて頭取室を後にした。
健治はその姿をじっと見送り頭取に目を戻した
頭取は、自慢の娘を披露した満足感を健治に伝えるように
「どうだ専務、佐野君はとても美人だろう」
健治はゆっくり頷いて
「本当ですね、初めて見ましたよあんな、綺麗な人天使が舞い降りて来たと思いましたよとても、もてるんでしょうね」
「さぁどうだか知らんがK銀行のアイドルなのは、間違いない」
健治はもっともだと思ってテーブルの上にあるコーヒーに手を付けて一口すすった
(なんだこのコーヒー、めちゃくちゃ美味しいや)
そうおもい頭取を見て
「頭取このコーヒーめちゃくちゃ美味しいのですがどこで売ってるんでしょうか?」
頭取は笑って
「ああそれかよくわからんが佐野君が持って来るそうだ今度彼女に聞いておこう」
健治は頷いて
「はい、お願いします。」
頭取室を出て控え室に戻って来た瞳をみて先輩の、優が話しかけた
「どうしたのよ瞳なんだか様子が変よ」
そう言う優に瞳は困ったような顔を見せ健治からもらった名刺を優に渡した
優は名刺を見て驚いて
「なに、名刺貰ったの」
優は名刺に目を移して
「カドクラケンジさん…すごい専務取締役って書いてあるわそれで?」
瞳はもじもじしてじぶんの席に座り「フー」っとため息を吐いて
「お食事に誘われました」
そう言うと周りの4人が目を丸くして驚いて一斉に
「え~」
と声をあげてすかさず優が尋ねた
「何よそれいきなりいわれたの?」
瞳は首を左右に振って
「頭取を介して誘われたんです」
「ウソ~凄いじゃない、それですぐ返事したの?」
瞳は少し間を置いて
「いいえ、まだ少し考えてからって思って」
そう言うと横から同期の神田五月が。
「瞳あんたそんなもったいない彼が帰る時でも返事しなさいよ」
瞳は首を左右に振って
「だって今日例の中居さんとお食事の約束してるから…」
五月はあきれた顔をして「何言っての、あんな変な人なんてほっといてこっちの人がいいじゃない…もう」
「そんな門倉さんに悪いじゃない…私には出来ないわしっかり中居さんを断ってから連絡するわ」
そう言って少し悲しそうにしてしたをむいた。
最初のコメントを投稿しよう!