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―――ああ、夏だというのに俺は何をしているのだろうか。
部屋の中でゴロゴロと一日中して過ごす。
そんなので今しかないこの夏を終えてしまっていいのか?
否、答えはNOだ!!
「でもする事ねぇんだよなぁ~…」
あ、自己紹介が遅れたな。
俺は陽向 千夏(ヒナタ チカ)。
みんなからは陽向、とか千夏、とか呼ばれている。
ちゃんづけした奴、呪うぞ?
特技は剣道や空手と言ったところ意外はごく普通の中学二年だ。
「何か面白いこと起こんねぇかな」
と、思ったときだった。轟音が鳴り響いたのは。
ドゴォォオンッ!!
夢、ですか?
いや、夢であれ。
夢に決まってるよな。
いや、夢だ!!
夢としか考えようがない…。
目の前には大きな穴があいた屋根。
破損した床には穴をあけた原因であろう男。
ぴ、ぴくりともしないんだが…生きてるよな?
明日の朝刊の見出しが頭に浮かぶ。
『中学生の部屋に謎の遺体!?少年(14)に事情聴取』
いやぁぁぁぁぁぁぁあああ(泣)
俺はまだやりたいこともたくさんあるし捕まるわけには行かないんだっ
「いってぇぇぇえ!!」
俺がトリップしてる間に男から叫び声があがった。
え、てか喋ったよな…この人。
確認するために目線を男に移動させてみるとそこには、埃にまみれてはいるが傷一つない男が頭をさすっていた。
生きてるぅぅぅう!!
奇跡だ!神様ありがとーっ!
てか…屋根突き破っておいでぴんぴんしてるって、この人人間なのだろうか。
それに確かに何か面白いこと起これとは言ったが、人が空から降ってくるまでの面白さはいらねぇ!!
てか、ここまでくると面白くもなんともねぇぇぇえ!!
「クソっ奴はどこだ!?」
とりあえず俺を完璧無視して何か呟いている男に話しかけてみることにした。
「あのー」
見た目は普通…というかどちらかというと男前なお兄さんではありませんか。
年は20代ぐらいだろう。
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