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「あらあら…可哀相に。こんな日に捨てられてしまうなんて…。」
女は片手に抱えていた袋を自分の家に持ち帰り、ミルクを白い容器に入れ温めて、それを持ってまたその猫の元へ戻った。
「さぁ、お飲みなさいな。」
猫の隣にそっとお皿を置くと、お腹がすいていたのか、小さくなった体をスクッと起き上がらせて、一生懸命にそのミルクを飲みだした。
「ふふふ…お前、元気じゃないか。こんな寒さで、そんな小さな身体で…立派、立派。」
女は、猫にむかって優しく微笑んだ。
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