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そして、無我夢中でミルクを飲み干す猫にむかって言った。
「さぁ…お前、私はもうここにミルクをやりに来ることはしない。でもひとつだけ、いい事を教えてあげる。」
不思議そうな顔をして、猫は女の顔を見上げた。
女はその猫の頭を優しく撫でてこう言った。
「おもいっきり泣いてごらん…?ここに捨てて行った人間に向かって大声で泣いてごらん?まだ生きて行きたいのなら…その悔しい気持ちを、自分のものにしなさい。お腹がすいたなら、赤ちゃんのように泣いて甘えたっていいんだ。でも間違えちゃいけないよ……………?」
その時、小さな猫は、全身の力を振り絞るような大きな声で、
「ミャァァァォオオオー」
と、泣いた。
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