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「ふぁーぁ…」
寝不足だ。完璧に。
朝方までヤットちゃんとお喋りしてたりりかは、ウトウトは出来たが、病院の朝は早いのだ。
早朝から、すでに動き回るいろんな物音で起こされる。
りりかは起きるなり、ゲームにインした。
「昨日…いや、今朝りりか…いつアウトしたんだろ?」
記憶がない!!!
いつゲームを閉じたのか、記憶がないのだ…。
どーしよ…無言で無視したみたいになってなかったかな!?
フレンド枠を開くと、確かにヤットちゃんの名前があった。
これに連絡したらいいのかな?
とにかく、紫色のチャットでリリカはヤットちゃんを呼んでみた。
「ヤットちゃん?いますかぁ?…」
ログは動かない。
いないよね…
「いるよ😃」
ヤットちゃんからの紫色のフレ茶返信だ!!
「ヤットちゃん、ごめんなさいです😱💦💦昨日…」
「アハハ、寝落ちは仕方ないよ😃」
社交辞令なのか、本心なのか、絵文字の笑顔ではわからない。
りりかが考えあぐねていると、
「今、仕事に行く準備しながらだから、ちょっと茶、遅くなるけど、リリ大丈夫?」
「もちろん大丈夫ですー😆」
よかった、怒ってないみたい。
「ヤットちゃんは、お仕事何してるですか?」
ふと好奇心から、りりかは聞いてみた。
「事務所の電話番みたいなもんなの。昼間は、ヤットしかいないから、会社着いたら、またインできる(笑)」
なるほど、ヤットちゃんは、OLさんなんだ!
あまり、あれやこれや、詳しく聞くのも失礼な気がして、りりかはヤットちゃんを、OLのお姉さんとイメージすることにした。
「じゃあ、またインする?」
「うんうん、5分で着く」
「めっちゃ近ですね!!会社」
「うんうん。遅刻はしないね(笑)」
「リリカもまた、インしたら連絡しますー!」
「了解(笑)」
朝の慌ただしい時間のチャットにもかかわらず、ヤットちゃんは、丁寧にフレ茶を返してくれた。
リアルのりりかなら、朝の慌ただしい準備中に話しかけられても、
「今、忙しいから後にして!」ってなもんだろう。
「よかったあ、優しい人で。」
元来りりかは、人見知りで、引っ込み思案な性格だ。
だが、ゲームの中では、なるべくリアルの自分と違う自分でいたかった。
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