はじめての痛み⁉

4/6
前へ
/143ページ
次へ
77さんとのワカ狩りから何日が過ぎただろうか。 りりかは、いつものように、真夜中の狩りをヤットちゃんと、お喋りしながら、以前よりは慣れた様子でこなしていた。 「ヤットちゃん?」 「はい。」 「ヤットちゃんは、いつもリリカと一緒にカリカリしてくれてるけど、リリカばっかで大丈夫なの?」 「大丈夫だょ(笑)ヤットはリリカと一緒にいたいから。」 「そか。ならよかったけど、他にパテのお誘いがあったら、気にせず行ってよね?」 リリカはギルドに所属したものの、ギルドメンバーとはたいして絡むことなく、ヤットちゃんと過ごしていた。 なぜなら、リリカがインすると待ち構えたように、ヤットちゃんからフレ茶が入るのだ…。 リリカは、仲良し女子特有の独占欲を少し、煩わしくも感じていた。 ヤットちゃんの親切が、リリカへの独占欲に変わったのには、きっかけがあった。 二~三日前に、リリカはギルドメンバーを優先して、ゲームのシナリオを進めていた。 シナリオは、ストーリーになっており、普段リリカ達がやっているレベル上げの狩りとは、少し様子が違う。 単独、すなわちソロで、シナリオを進める「ソロ屋」と違い、りりかはパテでシナリオをクリアするのが好きだった。 パテならではの、連帯感や、みんなでやり遂げた達成感が心地よいのだ。 ただシナリオは、要領を得ないりりかにとって、たいそう時間がかかる代物でもあった。 要するに、鈍くさいのだ。 そのため、その日はヤットちゃんには申し訳なかったが、一日中流れてくるヤットちゃんからのフレ茶に断りを入れ続け、ついに最後まで合流することが出来なかったのだ。 それ以来、ヤットちゃんは、リリカへの好意を口にするようになった。 時にそれは、ドラマで見るような、告白にも似た形でなされた。 同時に、高価なアイテムのプレゼントも…。 りりかは、それが、何とも居心地悪かった…。 アイテムの中には、「レア」と言われ、特定の敵がドロップする、特別な物が存在する。 物によっては、1/1000以上の確率だったりする。 なかなか簡単には、手に入らないのだ。 りりか達初心者は、普通の狩りで手に入れた収集品を、街の雑貨屋で売り、この世界の通貨を貯めて、レア装備を買うのが一番の近道だ。 ただ、リリカはレア装備を買ったことがない。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加