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濡れた俺の唇を渉様は指で拭って、その指を俺の口に入れた…。
頬の内側や舌を撫でられると、それだけで全身の力が抜けてしまう。
渉「やられてばっかりじゃ、いられないもんね」
そう言って、俺を押し倒してきた。
桜「…俺じゃ、やっぱりダメですか?」
渉「何が?」
桜「イケないって…」
渉「まだ、あんまりしたことないんだろ?
そのうち、教えてやるから」
桜「…はい」
何故か涙が溢れてきた。
渉「泣かないで。
俺は高嗣の笑った顔が見たいんだから」
誰かの前で泣くなんて、何年ぶりだろう?そんなことを思いながら、渉様の背中にそっと腕をまわした。
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