かわいた口づけ

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ミノがおこってる、 昨日も結構機嫌悪かったみたいだけど、今日は一段と、機嫌わるそう。 こういう時は、どうすればいいんだっけ。 ミノは声に出して怒るタイプじゃない。 きっと、仕事で嫌なことでもあったんだろうけど。 「ミノ……大丈夫?」 思わず声をかけてしまった。 間違った対応だったかも。 ミノはゆっくりと俺をみて、うっすらと笑った 「なに、大丈夫って、」 (嗚呼、失敗した) ミノが俺に近寄ってきて、背筋がぞくりとした。 壁に強く叩きつけられて、昨日つけられた背中の痣が、いたい。 「ミ、ノ…っごめ、」 「べつに、キボムは悪いことしてないだろ」 ミノは優しく耳元で囁いた。 怒っているのか怒っていないかと言われたら、完璧に怒ってるんだろうけど。 ミノは俺の髪をきつく引っ張り、強く、お腹を膝で蹴った。 「……っ、」 あまりの衝撃に嗚咽がもれ、俺が床に崩れ落ちそうになると、ミノが髪を引っ張って「ちゃんと立って」と俺を見下した。 何発かお腹に蹴りを入れられて、とうとう足に力が入らなくなり、床に倒れ込むと、ミノは俺の手を踏みつける。 「あ、キボムの指、きれい」 この状況に合わないことを言うものだからびっくりしてミノを見上げると、優しく笑って、俺にキスをした。 (俺、ミノと付き合ってるんだよ) 恋人同士なのに、いつの間にかこんな関係になってしまったことに、胸がしめつけられた。 昨日は、キス、してくれなかった。 今日は昨日より、機嫌が悪いから、もっと酷いことされると思ったけど、俺の指をみて、綺麗と言った。 キスまでしてくれた。 「ミノ、…す、き、すき、だよ」 お腹がいたくて、あんまり声を出せなかったけど、ミノには届いたみたいだった。 だって、ミノ、泣いてたもん。 (そういえば、いつも顔だけは殴らないよね) (綺麗な物が、好きだから) .
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