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俺は、傷ついた彼の顔が、大好きだった。
「それってさぁ、…キボムヒョンが可哀想じゃない?」
隣で、俺に膝枕されながら、大きな瞳で俺を見つめるテミナ。
「……そう?キボム、Mだから、さぁ」
ふふっと俺が笑うと、テミナもそれにつられてくすりと笑った。
「ねえ、それより僕、眠くなっちゃった」
「うん、おやすみ」
俺はテミナに軽くキスをすると、テミナはゆっくり瞼を閉じて、すぐに夢の中へ入っていった。
今日は、キボム1人の仕事だったから、テミナと遊んでた。
(そろそろ、帰ってくるかなぁ)
なんて考えながら、俺はテミナのベッドを降りた。
――――――――
「あ、ミノ、ただいま!」
いつも通りの笑顔で、俺にそう言ったキボムに、俺もいつも通りの笑顔を、彼に返した。
「おかえり、遅かったね」
「んー、そう?結構早く終わった気がしたんだけど」
着ていた服を脱ぎ捨て、鏡の前で髪の毛をいじる。
「風呂、入るだけじゃん」
俺が苦笑したら、キボムが、むぅっと頬を膨らませて「髪の毛は大切だろ」と言った。
「キボムのそういうとこ、すきだけどね」
俺がそう言うと、さっきまで1人で喋っていたキボムが静かになり、無言で風呂へと入っていった。
こう言ってやれば、キボムが頬を赤らめる事を知っている。
キボムと俺は、恋人だけど、俺は、テミナとも関係を持っている。
"浮気"って、こういうことを言うのかな。
朝起きたら、キボムは俺の隣で気持ちよさそうに寝ていた。
昨日はテミナとしちゃったから、別にキボムとするつもりは無かったんだけど。
一応、ね。
"恋人"だし。
優しく、抱いてやった。
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